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2017-09

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【ホミンホSS】 こんなに、こんなに、愛しいきみを。 - 2017.08.18 Fri




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◆こんなに、こんなに、愛しいきみを。 






まだまだ力を蓄えている夏の太陽が刺すように降り注ぐなか、額にじっとり滲む汗を感じながら一点に視線を集中させる。


もうすぐチャンミンが姿を現すはずのゲート。
赤い風船や「おかえりなさい」のバナーを持ったファンがひしめくエリアから離れた一角で、オレはひたすら、チャンミンが出てくる瞬間を待っている。



――もう少し。もう少しだ。


あと数分もすればネイビーの制服を着こなしたおまえは颯爽と現れ、敬礼をする。ちょっと照れたみたいに睫毛を伏せてファンへの感謝の言葉を口にして、それからこっちに歩いてくる。


おまえを待つオレの方に、ただ、一直線に。



待ちきれずにオレの方から駆けだしてしまうかもしれない、おまえはきっと困ったようにはにかんで、こちらに向かって両手を広げてくれる。
オレはその腕に飛び込んで、力いっぱいチャンミンを抱きしめるんだ。




ざわついていた広場が急に温度を上げ、悲鳴にも似た声があちこちで上がる。


チャンミンが出てきた。


胸の鼓動が高まるのを感じた。


オレは数歩前へ歩く。



ファンへの挨拶をすませ、かるく手を振り、それから――






―――?




一瞬何が起こったのかわからなかった。



オレの想像した通りに、挨拶をすませたチャンミンはオレの方へ歩いてきた。


けれども、今にも走りだそうとするオレには一瞥もくれず、チャンミンはオレの横をすり抜け、マネージャーや事務所の仲間がいる後方へと向かっていったのだ。


――チャンミナ、おい、


振り返って叫んだはずなのに言葉が音にならない。


笑顔のマネージャーや後輩たちに迎えられて、チャンミンが笑っている、そこにオレはいないのに。



――嫌だ、チャンミナ、オレはここだよ、ここだってば。



チャンミナ、―――!!







「―――っ!」



びく、と体が揺れた反動で瞼が開いた。



「………」


息苦しさに浅い呼吸をくり返す。どくどくと疾走する血の流れをこめかみが伝えてくる。


間接照明の中にほの暗く浮かび上がる見慣れた天井から、オレはぎこちなく首を横に動かした。
すぐそばにチャンミンの寝顔がある。数時間前、瞼を閉じる瞬間にも見たそれ。



……夢、だ。


引きつれたような痛みを喉の奥に感じて、こくん、と唾を飲みこむ。
どうして――あんな夢を見たんだろう。


チャンミンが無事に帰ってきた、その夜に。
つい何時間か前、オレは元気に戻ってきてくれたチャンミンをこの両手でしっかり抱きしめたばかりなのに。



「………、」


ひどく喉の渇きをおぼえて、オレの体をゆるく包みこむチャンミンの腕をそっとほどいた。
上体を少し起こして、ベッドサイドに置いたペットボトルに手を伸ばす。



夢で感じた怖さの名残と、現実ではなかった安心とで、鼻の奥がつんとする感覚をおぼえた。




「――ん……」


そばで身じろぐ気配がした。


「……、ユノ…?」


振り返ると、チャンミンが眩しそうに目を開けてこちらを見てた。ああ、起こしちゃった。
ペットボトルの水をあおって、ごめん、と呟いた。
ぬるい水だけど、少し気分が落ち着いたような気がする。



「ユノ――泣いてる?」


さっきよりもしっかりした声が低く響く。


うっ、目ざとい。ほんのちょっぴりうるっときただけなのに、なんでバレちゃうんだ。



「泣いてないよ」


何気なく返したつもりの声は、けれど予想以上にかすれてしまって、あわてて咳払いをする。
チャンミンが体を起こす気配がした。



「ヒョン。こっち向いて」
「…平気だってば」
「平気ならいいでしょう、こちらを向いて」



理知的な声できちんと言われて、オレはしぶしぶと体をチャンミンの方へ向ける。ぎし、とスプリングの軋む音がちいさく響いた。


ベッドヘッドに置いたライトの明度を少し上げてから、チャンミンはじっとオレの顔を覗きこんだ。



「どうして泣いたの」
「……チャンミン、先生みたい」
「茶化さないで。俺にとっては大事なことなんだから」


ちょっと厳しくなった声色とは裏腹に、オレの頬に伸ばされた右手はとてもやわらかくて。
尖らせた唇を戻せないまま、ぼそぼそと応える。


「ちょっと…怖い夢を見ただけ。チャンミニの顔見たから、もう平気」
「俺が死んじゃう夢とか?」
「バカ、冗談でも怒るぞ」


上目づかいに睨みつけると、くすくすと笑って、チャンミンはオレの耳から首にかけてをくすぐるみたいに撫でた。



「じゃあ教えてよ、どんな夢だったのか。悪い夢を見たら誰かに話すといいって言うし」
「たいした夢じゃないよ」
「たいしたことじゃないなら、話したって何でもないでしょ」


むー。
やっぱり口ではかなわない。
しかたない、とばかりにオレはちいさくため息をついてから、口を開いた。



「……おまえのこと迎えにいったのに、無視されちゃった夢。
何も言わずにオレの目の前を通りすぎちゃって、オレがチャンミナ、ってめちゃくちゃ呼んでるのに全然気づかないで、事務所のみんなとすごい楽しそうに笑ってて…すげー、悲しかった」


「………」


「離れてたときだって一度もそんな夢見たことなかったのに、なんで今さら…不思議でしかたないんだ」




吸いこまれそうに深い夜の色をした瞳で、オレを見つめているチャンミン。


何となく目を合わせていられなくて、オレはうつむいたまま前に体を傾け、チャンミンの肩にこつんと頭を当てた。



「ごめん。せっかくおまえが戻ってきてくれたのに、水を差すみたいな夢、見ちゃって」


そう言ったきり、オレは黙りこむ。言葉にしてみると、なんだか一方的にチャンミンが悪いみたいになっちゃってる。
夢から覚めたオレは、そんなこと1ミリも思ってないのに。




かすかに衣擦れの音がして、チャンミンの両手がオレの腕をそっとつかんだ。
そのまま自分の方にオレの体を引き寄せて、抱きしめてくれる。


よくわかんないですけど、と前置きして(自分の考えとか気持ちを話すとき、チャンミンはよくこう言う)、



「たぶん…安心したからじゃない?
俺がこうしてヒョンのそばに戻ってきて、心配なことは何もなくなったから、ヒョンの中に残ってた不安が、夢に出てきて消えちゃったんですよ」


「……消えた、」


「うん。ヒョンが目を覚ました瞬間に、全部消えてなくなったから。だから、もう大丈夫」



ぽんぽん、と。
あやすみたいに、一定のリズムで背中に触れてくれる、右手。


「大丈夫だよ、ヒョン。俺はここにいるから」



……そんな。
そんな言い方されたら。



ぎゅう、とチャンミンの肩に回した両手に力をこめて。
オレは目をつぶる。



そんな言い方されたら、また泣きたくなっちゃうじゃないか。


チャンミンの、パボ。




「……、オレ…ヒョンなのに。ダメじゃん」
「ダメじゃないですよ」


そう言うと、ゆっくり体を起こして、チャンミンがオレの顔を見た。きっとオレ、口がへの字のままになってる。



「俺…知ってる。2年前、ヒョンがどれだけ不安で寂しかったか」



ふ、と。


チャンミンの長い睫毛が優しく揺れた。



「後ろ向きな言葉はひとつも俺に聞かせないで、ひたすら俺のことを励ましてくれて、俺はほんとうにありがたかった。
おかげで2年間がんばれた。
けど……ほんとはヒョンだって怖かったよね。
言葉にしたらヒョンは絶対にそんなことないって言うだろうから、言えなかったけど」


静かな熱をたたえた視線を、少しもそらさずに言葉を告げて。
チャンミンは睫毛を伏せると、そっと顔を近づけ、オレの唇に触れるだけのキスをした。




「ごめんね、ヒョン。――ありがとう」




チャンミナ。
チャンミナ。


わかってるよ。



だからおまえは言葉のかわりに、ただオレのことを抱きしめてくれたじゃないか。
なだめるように優しく、やさしく背中を撫でて。


だからオレ、オレの気持ち、おまえにばれちゃってるんだなって思ったんだ。


おまえが何も言わないでいてくれたから、オレもヒョンのままで旅立つことができたんだよ。





「もう大丈夫だよ、ユノヒョン。これからはずっと――死ぬまで一緒だから」



死ぬまであなたのこと、離さないから。


熱っぽいささやきが鼓膜をふるわせて、体の奥が、じん、とかすかに痺れる。



かみさま、と、オレは心の中で呟いた。



こんなに可愛い可愛いチャンミンを、オレの許に戻してくれて、

ありがとうございます。





「――…オレ、だって、おまえのこと…離さない、」



瞼を閉じて。
くり返されるちいさなキスをあちこちに受けながらそれだけを返すと、もっと強く抱きしめられたから。


オレも、もっともっと強く、チャンミンを抱きしめた。




このしあわせな夜を、ずっとずっと、忘れない、と思った。







<FIN>




* * *

ユノさんお帰りなさいSSの逆バージョンということで、シムさんに甘えるヒョンを書いてみました☆
シムさんのお帰りをいちばん待ってたのはやっぱユノひょんなんだ…!
ユノさんがお迎えに行っているのは、夢の話なので象徴的にわかりやすく書きたかったのでした。
シムさんはきっとひっそり出てくるだろうなーと思っていましたが、しうぉにさんはちょっぴり意外でした。(笑)
まあ、一緒に出てくるのにどちらかだけ盛大に、というのもアレですよね。


とにもかくにも!ついに東方神起完全体で す よ …!!!
シムさんお疲れさまでした!!よくがんばったね。゜・(>_<)・゜。
これからささやかにお帰りなさいのお祝いしてきまーすっ☆★


(´・J・`)「とか言って、単にお肉が食べたいだけなんじゃ…?」
…ぎくっっ。(笑)





2017081604.jpg

おかえりなさいv





***
いつも遊びにきてくださってありがとうございますv


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か****さんへ♪

か****さん、こんにちは~\(^o^)/うわん、さっそくにメッセージありがとございますうぅ~~!!こんなめでたくすがすがしい日も腐で攻めるという空気を読まない奴でほんとすみません…!(笑)か****さんもお祝いされたんですネ~vv18日はなんか、周りが盛り上がっている中で、自分もじわじわ喜びが湧いてきた感じでしたv「これから楽しいことしかない」って言っている方がいらして、ほんとそれ…!その通り!!(号泣)って思いました(笑)
ユノさんに続いてシムさんも元気に戻ってきてくれて、ほんとにそれがいちばんうれしいことですよね(^^)
サラビュ!!!わたしも当たって観にいってきましたヨ~♪思いのほか高倍率だったみたいですね!ほんとこれで運使い果たしてたらどーしよう(o_ _)ノ彡☆MCの字幕には泣けましたよね…あのときこんなことゆってたのか~ってTT*
うんうん、ほんと、ふたりのあのときの覚悟はほんとうに本物だったんだなって、2年後にふたりが証明してみせてくれて、ファンとしてこんなに幸せなことはないですよね。ふたりのファンになってほんとーーーーによかったなあって、ヨロコビを噛みしめる毎日です(*^^*)
あとは、単コンのライブ会場で「おかえりーー!!!」を叫ぶだけですね!!ドームツアー、激戦の予感しかしないですけども(泣笑)お互いがんばりましょうネ~~\(≧∇≦)/
メッセージありがとうございましたvvか****さんと一緒に喜ぶことができてとってもうれしかったです(*^^*)


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Author:宮子
ユノヒョンにまいっちゃってる
新米ペンです。
いろいろ勉強中です。
今日も大好き東方神起。

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