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2024-03

【ホミンホSS】 Kissing in the Rain ・ 20 - 2014.01.03 Fri


こんばんは~。正月早々熱出しちゃった管理人です。がく。

今日は朝からバタバタしてて、なんかしんどいなーと思ったけど忙しいから気にしないでいたら、夜になって一気に来ました(o_ _)o
熱出したのなんか何年ぶりだろー。
明日は約束もキャンセルして、寝てることにしました。ううう。
みなさまもお気をつけくださいね~

そんな中でもSomethingのMVはヘビロテしてますヨー(≧∇≦)!!
何度観てもドキドキしちゃいます!早くいろいろ語りたい!!

動画の再生回数も音楽番組のチャートに影響するそうですので、お時間あるときにでもゼヒ再生してみてくださいね♪

素敵すぎる動画はコチラです


さてさて、ヴァンパイアSSのつづきをアップします!
おつきあいくださっている皆さま、ほんとにありがとうございますv


★Kissing in the Rain 19は こちら






◆Kissing in the Rain ・ 20






寝室のドアの前まで案内すると、ソヒョンは振り向き、チャンミンにどうぞ、というようにうながした。

チャンミンはノブに手をかけ、そっと開ける。


香を焚いているのか、スモークの気配とともに、スパイスのきいた甘い香りがほのかに漂ってきた。
明かりがついたままの部屋の奥。
アイボリーの色をしたベッドに、ユノがひそりと横たわっていた。

「………」

ゆっくり歩いてベッドのそばに立つ。

穏やかな表情を浮かべ、ユノはただ眠っていた。
命の終わりに近づいているとは思えないほどに美しい寝顔だったけれども、その綺麗な頬も眉も睫毛も唇も、つくりものめいて見えるのはそのせいだろうか、とチャンミンは思う。

あまりにも生気が感じられなくて、思わず手を伸ばし、指先でかるく頬に触れた。
確かな温もりがつたわり、ひそかに息をつく。


「――……」

閉じた白い瞼がかすかに動き、睫毛が揺れた。

花びらが押し開くように瞼がひらく。

ユノはわずかに視線をさまよわせてから、そばにいるチャンミンを見た。
アーモンド型の瞳がかすかにゆるめられる。

「――来たんだね、チャンミナ……」

少し困ったような微笑み。
それでも、

顔が見れてうれしい。

かわいた唇が、いつもの言葉を紡ぐ。


「ねえ……もっとこっちに来てくれる?」

言いながらゆっくりとこちらに伸ばされた右手を握り、床に膝をついてユノに顔を近づける。

ふわりと優しい笑顔が咲き、チャンミンは、ひく、とかすかに喉を鳴らした。

「大好きなおまえの顔を…おぼえておきたいから」

「……っ、なんで、そんなこと……!」


まるでこれが最後の――別れみたいに。

上半身を起こしたユノを見上げる。
悲しみに彩られた瞳に見つめられ、チャンミンは胸をかきむしりたいほどに強く締めつけられるのを感じた。

「……ソヒョンから聞いたんだろう?」

「なんで…なんで俺をおいていこうとしてるんですか……!」

ぽろぽろと涙をこぼしながら、チャンミンは叫んだ。
片手で顔を覆い、シーツを握りしめて子どものように泣きじゃくった。

言いたいことはたくさんあるはずなのにどれも言葉にならない。

ソヒョンから話を聞いたときは、それでもまだどこかでそんなことがあるはずはないと否定したがっている自分がいた。

けれど今、ユノの顔を見て、声を聴いたら。
ほんとうに、もうすぐこの人はいなくなるのだという事実が、圧倒的な現実感をもって目の前に立ちふさがり、激しい絶望がチャンミンを襲った。


「――すまない……やっぱりオレはおまえと出逢うべきじゃなかった。
おまえを、愛してはいけなかったね……」

そっと触れてきた手が、チャンミンの頭を撫でる。
慰めるように、あやすように。

チャンミンはうつむいたままかぶりを振った。


「だけど……ごめんね。今も好き……」

大好きだよ、チャンミナ。


ふるえをこらえるような吐息混じりの声。

わずかに揺れる声から、彼の押し殺した感情に触れられたような感じがして、チャンミンは顔を上げた。


「俺が……俺がヴァンパイアになれば、あなたは俺のそばにいてくれますか?」

「――っ、だめだよ」


顔を一瞬ゆがめ、ユノは目をそらした。

「だめだよ…それだけはだめだ。オレはそんなこと、おまえに望んでない」

低く、けれどクリアな声が響く。
冷たく見えるほどに美しい横顔。

やがてこちらを振り返ると、かすかな笑みを見せた。

手を伸ばし、新しい涙を流すチャンミンの濡れた頬を優しく拭う。


「大丈夫……オレがいなくなれば、おまえはオレやソヒョンの記憶のすべてを失う」

涙を流しているのは自分だけれど、と、チャンミンは思う。

「もしかしてつらくても……それは今だけだよ」


きっと自分は、ユノの代わりに泣いているのだ。








通りをはさんだ向こうにある公園を囲むポプラの樹が、淡い緑の葉を繁らせている。

ゆるい風に揺れるたびに、日差しを反射してキラキラと光を放つ新緑を、チャンミンは目を眇めて見やった。

マンションのそばの大通りに面したオープンカフェは、休日の散歩ルートの終着点だ。
公園をぶらぶらと歩いて、少し喉がかわいたところでここに立ち寄り、一服する。
ドリンクはそのときの気分によるけれど、たいていはコーヒーをブラックで。


今日は珍しくカプチーノを注文した。
オープンテラスで店舗に近い方のテーブルを選び、シナモンのきいたカプチーノをゆっくりと口に含む。

休日の街は、午前中でもすでに多くの人たちが行き交う。
ときどきはこうして外で時間を過ごしながら雑踏を眺めるのが好きだ。
人の気配を感じながらも、誰にも干渉されない心地いい孤独を味わえるから。



――大丈夫。オレがいなくなれば、おまえはすべての記憶を失うから。


ユノの言葉が思い出されて、チャンミンは無意識に唇をかんだ。

簡単に言ってくれる、と思う。自分の彼への思いを、そんなひとことで片づけられてたまるものか。


自分がヴァンパイアになれば、一緒にいてくれるかと問うたとき。

それを聞いたユノの表情は、自分がそう言うだろうことを予想していたようなそれだった。

そしてチャンミンもまた、ユノに断られることはある程度予想していたのだ。

ヴァンパイアとしてよみがえることはすなわち、生身の人間としての、現在のチャンミンの人生をまったく別のものに変えてしまうことになる。

そんなことをユノがすんなり承諾するとは思えないし、チャンミンにしても、今の人生を捨てたヴァンパイアとしての自分がどうなるかなんて想像できるはずもない。


そしてもうひとつ。

血を吸うときに自分のエネルギーを吹き込めば、相手をヴァンパイアとして蘇生させることができる。
ソヒョンはそう言っていた。

けれど――もしユノがチャンミンにその「儀式」をおこなっても、失敗するかもしれない。
かつて恋人のミアを失ったときのように。

人間の場合はかなりの確率で成功するとソヒョンは言っていたが、それでも100パーセントとは誰にも断言できないだろう。
ユノはそれを恐れているのだ。
彼女と同じようにチャンミンを永遠に失うことになるかもしれないと。


(……にしても、よくまあ、あんなこと言ったよな)

口許をわずかにゆるめる。
ヴァンパイアにしてくれ、なんて突拍子もないことを言った自分に今さらながらに驚いてしまう。

けれど、ヴァンパイアとしての存在を終えようとしているユノは、チャンミンの前であまりにも現実的だった。
今、なんとかしなければ、自分はほんとうにこの人を失ってしまうのだと直感した。


そして何より――彼を愛したそのときから、自分は頭のどこかで気づき、そして認めていたのだ。

ユノが命を終えようとしている状態ではなくとも、この先ユノと一緒にいたいならば、自分も彼と同じ――人ならぬ存在になる以外に方法はないのだと。

すべての真実を知った今、チャンミンは、これまでユノやソヒョンにいだいていた疑問やあらゆる感情に答えが与えられたように感じている。

出逢ったときから、彼らはこの世界そのものと、まるきり関わっていない、あるいは関わりを断とうとしているように見えた。

好きなときにここへ来ればいいと言ったとき、ユノがはじめて自分を受け入れてくれたとき。
笑顔の中に底知れない悲しみを見た。
すべて――いずれは別れなくてはならないと知っていたから。

それでも自分との関係を、最期まで、死という抗えない力でしか終わらせることができなかった彼の気持ちを思うと、せつなさと愛おしさに胸が締めつけられた。


いつだったか、キュヒョンの実家で見た、彼の曽祖父とともに写っていた写真を思い出す。

すでにヴァンパイアになっていたはずの彼の表情は、今よりもずっと生き生きとして精悍だった。
あれはまだ恋人がそばにいたころだろうか。

自分が知っているユノはいつも気だるげで、この上なく美しくはかない雰囲気をまとっている。

そんなユノを自分は心から愛しているけれど、写真に写っていた彼の方がずっと彼らしいと、おそらくはあれが本来の彼なのだと思わずにいられない。


(………)


正直、この選択をすることが少しも怖くないわけじゃない。
あきらめなければならないことや、たいせつな人たちとの別れだって覚悟しなくてはならないだろう。

だけど――。


もし――もしも、自分があの人のそばにいることで。

この先も変わらず、ともに同じ時を歩んでいくことで。


ユノが以前のようにかがやくような笑顔を見せてくれるのなら――。



「――ウォン! ウォン」

ふいに犬の吠え声が響き、チャンミンはびくっと身構えた。
下を見れば、腰ぐらいまで背丈のあるグレートピレニーズがこちらを見てうれしそうにしっぽを振っていた。

すみません、と飼い主らしき女性があわててリードを引っ張る。
いいえ、と笑い、チャンミンは手を伸ばしてグレートピレニーズの頭をかるく撫でた。

銀色をしたふさふさの毛が日の光を浴びて眩しくかがやいている。
チャンミンは空を見上げた。

青く澄みわたる空を、目に焼きつけるように、しばらくのあいだ見上げていた。







――to be continued.



* * *

● COMMENT ●

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ゆ**さんへ♪

ゆ**さーん、こんばんわ~\(^o^)/
遊びにきてくれてめっちゃうれしいぃ♪♪
お見舞いありがとです~///1日ひたすら休んだらなんとか浮上してきましたvv
そうなんですよね~、日本はお正月まっただなかのカムバックなのでいろいろわたわたしちゃいますよね(^∇^;
でも毎日素敵動画や画像がたくさんあがってきて幸せですね~!!
ビギストもカシちゃんに負けずに応援していきましょね(*^_^*)

ヴァンパイアSSも読んでくださってありがとごじゃいます~vv
楽しんでもらえててめっちゃうれしい(//∇//)
ハッピーエンドまであともう一息なので、さいごまでぜひぜひおつきあいしてやってくださいねvv
温かいメッセージありがとうvとっても元気いただきましたん(*^_^*)

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小*さんへ♪


小*しゃん、こんばんわ~\(^o^)/
あははは、(*`・J・´) まだ言うか!なチャミ様がかわゆすぎる~vv
うん、ヨジャ絡みもセクシー系も今回が初挑戦だからね!まだまだこれからさ♪←上から目線?
でもなー、慣れてイケイケになっちゃったら、それはそれでちょっと寂しいかも?チャミ様はそうなりたいと思ってるかもですけど~(笑)

今回もヴァンパイアSSの感想をありがとごじゃいますvvううん~、いつ書いてくれてもとってもうれしいですよぉ~(*^_^*)
ひなたと闇のコントラストのイメージ。
キュヒョンたちと関わっている世界と、ユノ&ソヒョンと一緒にいる世界の対比をできるだけクリアにすることを意識して書いていたのですが、そんな風にとらえてくださってとてもうれしいなぁ、と思いました///
そして小*さんが予測してくれたユノの心の動きがまんまその通りだったっていう(≧∇≦)
うふふ、ヴァンパイアユノのことを理解してくれてなんだかくすぐったい感じですぅvv(キモくてすいませ…笑)
宇多田ヒカルちゃんの歌知らないです~!そんな素敵な歌詞があるんですね(*^_^*)
あとでググってみよっとvv
こちらこそ、いつも温かいメッセージをありがとうございます~♪


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Author:宮子
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新米ペンです。
いろいろ勉強中です。
今日も大好き東方神起。

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